マウスピースの正しい洗浄方法|お手入れが欠かせない理由や洗浄時の注意点とは

マウスピースの正しい洗浄方法|お手入れが欠かせない理由や洗浄時の注意点とは

歯列矯正で使用するマウスピースは、正しい洗浄方法で自分自身でお手入れしなければなりません。たとえ、汚れひとつ残さないくらい口腔内を徹底的に綺麗にしていたとしても、マウスピースのお手入れは必要です。

また、マウスピースはただ洗浄すればよいというものではなく、いくつかの注意点があります。

この記事では、マウスピースの正しい洗浄方法とともに、お手入れが欠かせない理由や注意点について解説します。

歯列矯正のマウスピースにお手入れが必須な理由

歯列矯正のマウスピースは、なぜ自分自身でお手入れをしないといけないのでしょうか?

まずは、マウスピースのお手入れが欠かせない理由について解説します。

黄ばみや汚れの原因になる

口腔内を綺麗に保っていたとしても、マウスピースは常に装着している状態であるため、見えない汚れや細菌が付着してしまいます。

マウスピースを汚れたまま使用し続けると、色素沈着などで黄ばんだり、汚れが取れなくなってしまったりする可能性があります。

マウスピースは透明で薄いからこそ目立たずに矯正できますが、目で見てわかるほど汚れてしまうと、悪い意味で目立ってしまうので注意が必要です。

虫歯や歯周病のリスクが上がる

マウスピースは一見汚れひとつない綺麗な状態でも、目では見えない細菌がたくさん付いています。

お手入れをせずに細菌だらけのままのマウスピースを装着し続けると、虫歯や歯周病などの口腔トラブルに繋がるリスクが上がります。マウスピース矯正治療中に虫歯や歯周病が発生すると、虫歯や歯周病の治療が最優先されるため、治療期間が伸びてしまうことにも繋がりかねません。

治療内容によっては、マウスピースを作りなおさなければならない事態も発生するため注意してください。

歯列矯正のマウスピースの正しい洗い方

歯列矯正で使用するマウスピースは最低でも、1日1回は必ず洗ってください。

マウスピースを外す度に洗浄することが理想的ですが、難しい場合はできるときだけでもいいので、外した際に洗いましょう。

専用の洗浄剤を使用して洗う場合は、1週間に1~2回の頻度がおすすめです。

基本的には指で優しくこすり洗い

基本的にはマウスピースの表面や内側を、指の腹を使って優しくこすり洗いするだけで問題ありません。

専用の洗剤などは不要で、水道水で洗うだけで大丈夫です。

柔らかい歯ブラシでブラッシング

細かい部分までしっかり洗いたい場合は、毛の柔らかい歯ブラシで優しくブラッシングしましょう。

ゴシゴシ洗いをすると、マウスピースを傷つけてしまい汚れや細菌が入り込みやすくなるので注意してください。

定期的に洗浄剤を使う

さらにしっかり洗浄したい場合は、定期的に市販の洗浄剤を使うとよいでしょう。

洗浄剤は歯科医院のほかに、ドラッグストアやスーパーなどでも購入可能です。必ず、矯正用のマウスピースやリテーナーに対応しているかを確認してから購入しましょう。

最近では100円ショップでもマウスピース用の洗浄剤を購入できますが、成分によっては使えない場合もあるので、歯科医師に相談してから使うことをおすすめします。

超音波洗浄機を使う

超音波洗浄機は、超音波で水を細かく振動させて汚れを落とせる機器です。汚れを落とすだけでなく、臭いもすっきり落とせます。そのため、洗浄剤を使っても汚れや臭いが取れない場合は、超音波洗浄機が有効です。

ただし製品によって性能に差があり、洗浄力が異なるため、仕様をよく確認してから購入するようにしましょう。

ちなみに、歯科医院によっては超音波洗浄機を用意している場合があるため、通院する際に利用させてもらうのもおすすめです。

マウスピースの洗浄剤として使ってOKなものとNGなもの

マウスピースの洗浄剤として使ってOKなものとNGなもの

マウスピースの洗浄剤は基本的に、マウスピースかリテーナーに対応した専用の洗浄剤を使うことをおすすめします。

ちなみに、専用の洗浄剤ではなくても代用できるものがいくつかあります。

ここからは、マウスピースの洗浄剤として使っていいものとダメなものについてご紹介します。

入れ歯用の洗浄剤

入れ歯用の洗浄剤で代用できると言われていますが、洗浄力が強い場合、変形や破損の原因になるのでおすすめできません。

実際に入れ歯用洗浄剤の大手メーカーは、マウスピースへの使用は推奨しないとの見解を出しているため、基本的には使わないようにしましょう。

歯科医院によっては使ってもOKとしている場合もあるようですが、自己判断では使用せず、必ず歯科医師の指示に従ってください。

食器用洗剤

食器用洗剤は中性で研磨剤も入っておらず、強力な殺菌作用もあるため、マウスピースの洗浄に使用できます。専用の洗浄剤の代用としてではなく、毎日のお手入れの際に使用してOKです。

ただし、マウスピースによっては食器用洗剤の使用を推奨していない場合があるため、必ず歯科医師に相談のうえ使用してください。

なお、一般的な食器用洗剤ならば基本的には問題ありませんが、研磨剤が配合されている場合は使用しないように注意してください。

マウスウォッシュ

マウスウォッシュは殺菌作用があり、研磨剤が含まれていないため、洗浄剤の代用として使用できます。

ただし、マウスピースによっては使えない場合もあるので、歯科医師に相談してから使用するようにしましょう。

重曹+クエン酸

重曹とクエン酸は洗浄剤として代用可能です。ただし、マウスピースによっては使えない場合があるので注意しましょう。

使用する際は、200mlの水に対して重曹大さじ2+クエン酸大さじ1を溶かして使います。粒子が残っていると、マウスピースを傷つけてしまうので注意しましょう。

マウスピースを洗浄する際の注意点

ここからは、マウスピースを洗浄する際にやってはいけない注意点をご紹介します。

歯磨き粉を使うのはNG

口の中で使うものだから大丈夫だと思われがちですが、歯磨き粉はマウスピースに使用できません。

歯磨き粉には汚れを削って落とすための研磨剤が配合されているため、マウスピースに細かな傷をつけて細菌を繁殖しやすくしてしまいます。

水だけでは心配な場合は、中性洗剤を水で薄めたものを使用してください。

お湯を使わない

お湯は汚れを落としやすくしてくれますが、マウスピースは薄いプラスチックでできているため、熱で変形してしまう恐れがあります。

変形してしまうと歯の形にあわなくなってしまうため、マウスピースを洗うときはお湯ではなく水を使いましょう。

保管する際はしっかり乾燥させる

洗浄後にそのまま保管する場合は、しっかり乾燥させてから保管してください。濡れたままケースなどで保管すると、細菌やカビが繁殖してしまいます。

水気をよく拭き取ってから、ティッシュやキッチンペーパーの上に乗せてしっかり乾かしましょう。

まとめ

マウスピースは毎日口の中に入れるものだからこそ、衛生面を保つことが大切です。そのためには毎日のお手入れが欠かせません。

ただし、マウスピースは柔らかいプラスチックでできているため、変形や破損をしないように注意しながら正しく洗浄することが重要です。