​​前歯だけのマウスピース矯正はできる?部分矯正の値段や期間、矯正方法を解説

​​前歯だけのマウスピース矯正はできる?部分矯正の値段や期間、矯正方法を解説

全体的な歯並びは気にならないけど、前歯だけがガタついているなど、部分的に歯並びが気になる場合は部分矯正を行うことができます。部分矯正とは、前歯だけなどピンポイントで歯並びを整えられる治療のことです。

近年ではマウスピースを使用したインビザライン治療が流行していますが、はたしてインビザラインでも部分矯正は可能なのでしょうか?

インビザラインによる前歯の部分矯正について解説します。

マウスピース矯正(インビザライン)は前歯だけの部分矯正ができる

インビザラインはマウスピースを装着して歯を少しずつ動かし、歯列を整える治療です。

歯の全体を矯正するイメージを抱かれやすいですが、インビザラインならば前歯だけの部分矯正が可能です。

部分矯正でもマウスピースは全体に装着する

ワイヤーで部分矯正を施す場合は、矯正したい部分だけに器具を取り付けます。しかし、マウスピース矯正(インビザライン)の場合は、前歯だけの矯正であっても、マウスピースを全体に装着します。

部分矯正でも全体にマウスピースを装着する理由は、歯を固定しながら動かす必要があるからです。

そのため、イマウスピース矯正(インビザライン)での部分矯正では、動かしたい前歯だけが動く設計のマウスピースを装着します。

前歯だけの部分矯正ならば抜歯は不要

矯正治療を行う場合、歯列の状態によっては抜歯が必要な場合があります。

しかし前歯だけを動かしたい場合は、基本的に抜歯が必要ありません。ただし、動かすためのスペースを作らなければならないため、エナメル質をコンマ数mm程度切除するディスキングを行います。

歯列の状態よってはマウスピース矯正で部分治療ができない場合もある

前歯だけなどの部分矯正は、誰でもできるわけではありません。基本的に部分矯正ができるのは、抜歯の必要がない軽度の不正咬合の場合のみなので、歯列の状態によってはマウスピース矯正(インビザライン)で部分矯正ができない場合もあります。

そのため、自分で「前歯だけを部分矯正したい」と決めることはできません。歯科医師と相談のうえ、問題がない場合のみ前歯だけの部分矯正が可能です。

前歯だけの部分矯正の値段

マウスピース矯正(インビザライン)で全体矯正を行う場合の費用相場は、成人で約70~100万円程度です。一方、前歯だけの部分矯正の場合は、約30~60万円程度が相場となっています。

部分矯正の値段は全体矯正の約半額程度と比較的リーズナブルなため、部分矯正だけを行い、将来的に費用面で余裕ができたら全体矯正を行う人もいるようです。

なお、マウスピース矯正(インビザライン)は保険適用外のため、全額自己負担となります。

前歯だけのマウスピース矯正(インビザライン)の方法を解説

前歯だけのマウスピース矯正(インビザライン)はどのように行われるのか、治療の流れについて解説します。

基本的な流れは全体矯正と全く同じ

マウスピース矯正(インビザライン)での部分矯正の流れは、基本的に全体矯正と全く同じです。

ただし、全体矯正の場合は、矯正前に抜歯を行う場合があります。部分矯正の場合は抜歯が不要なので、その分の工程を省いた流れになります。

前歯だけの部分矯正の流れ

部分矯正の場合も、まず行われるのはカウンセリングです。歯並びの状態を確認してもらい、治療に関する不安や抵抗感、希望を相談できます。また、医師から治療期間の概算や具体的な治療方法などを教えてもらえます。

カウンセリングの当日、もしくは後日、虫歯や歯周病の有無を検査します。この検査は保険適用です。また、矯正用のレントゲン撮影を行います。

検査・スキャンをした後日、診断結果と治療方法の案内、同意書の作成が行われます。同意書に署名してから3週間程度で、クリンチェックと呼ばれる治療計画のシミュレーション動画が作成されます。その後マウスピースが作られれるという流れです。

マウスピース完成後は、1週間ごとに新しいマウスピースに交換して少しずつ前歯を動かします。基本的に自己管理のもと自宅での治療となりますが、数ヶ月に1回程度、経過観察のために通院が必要です。

矯正完了後は、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着して過ごします。マウスピースで綺麗に歯列が整っても後戻りする場合があるため、矯正期間と同じだけの時間、保定期間が必要になります。

前歯だけの部分矯正にかかる期間

前歯だけの部分矯正は数ヶ月から1年程度で治療が完了します。

個人差があるため、必ずしも数ヶ月から1年程度で終わるわけではありませんが、動かす歯の本数が少なく、移動する距離も短いので全体矯正ほど期間は長くなりません。

前歯だけの部分矯正がおすすめな人の特徴

前歯だけの部分矯正がおすすめな人の特徴

前歯だけの部分矯正は、誰でもできる治療ではありません。人によってはできない場合もあるので、まずは自分が部分矯正に向いているのか確認してみましょう。

不正咬合が軽度の人

少しだけ歯が出ている、少しだけ重なっている、ねじれている、間が空いているなど、不正咬合が軽度の人は部分矯正がおすすめです。

前歯がすきっ歯の人

前歯部分だけがすきっ歯になってしまっている場合は、抜歯の必要がないためマウスピース矯正(インビザライン)での部分矯正が可能です。

移動するだけのスペースも十分あるので、人によってはディスキングも必要ないでしょう。

前歯が後戻りした人

以前に矯正治療を行った部分が、経年によって後戻りしてしまう場合があります。前歯部分が後戻りしてしまった場合も、部分矯正で綺麗に歯列を整えることができます。

すでに治療が完了している部分なので、抜歯やディスキングの必要はありません。歯科医院によっては、以前の治療を担当が他院だった場合でも対応できることがあるので、後戻りが気になる人はぜひ、部分矯正を検討してみてください。

前歯だけの部分矯正ができない人の特徴

前歯だけの部分矯正は、歯列の状態によってできない場合があります。前歯だけの部分矯正ができない人の特徴について解説します。

不正咬合が重度の人

歯が重なりすぎていたり、出っ歯や受け口や深刻だったり、歯の噛み合わせが悪いオーバーバイトだったりなど、不正咬合が重度の人は部分矯正だけで治療することはできません。

奥歯から歯並びをしっかり整えないと歯並びが改善されないため、全体を矯正する必要があります。

抜歯が必要な人

マウスピース矯正(インビザライン)では、症例によっては歯を動かすスペースを確保するために、抜歯を行うころがあります。抜歯を行うと歯を移動させる距離が大きくなるため、部分矯正だけでは綺麗に整えることができません。全体矯正の対象となります。

噛み合わせが合わない人

噛み合わせが悪いと顎に負担がかかり、顎関節症などを発症しやすくなります。

部分矯正で前歯だけ整えても噛み合わせはよくなりません。全体を少しずつ整える必要があるため、部分矯正ではなく全体矯正を行う必要があります。

前歯だけのマウスピース矯正をするならまずは歯科医院へ

前歯だけのマウスピース矯正ができるかどうかは、歯科医師が判断します。自己判断で選べるわけではありません。

しかし、少し前歯の歯並びが気になる程度の、軽度の不正咬合の人ならば前歯だけのマウスピース矯正ができる可能性も高いです。前歯だけの部分矯正であれば、全体矯正よりも安く、短期間で治療できます。

前歯の歯並び気になる人はまず、歯科医院へカウンセリングに行くところから始めてみましょう。