インビザラインのゴムかけ（顎間ゴム）とは？その役割や注意点

2023.02.09

インビザライン矯正治療の大切な装置の一つにゴムかけと呼ばれるものがあります。

インビザライン矯正治療においてゴムかけは治療の期間や矯正の完成に大きく関わってきます。

ゴムかけに使われるゴムは「エラスティック」と呼ばれます。

ゴムかけの治療の段階になると、自分の歯やマウスピースに丸い突起のような装置をつけます。突起状のボタンをつける場所がカットされているので、その部分にボタンをつけてゴムをかけるようになっています。

突起はマウスピースの上下に何箇所かあります。前歯に近い、口を開けたときに目立つ部分は目立たない透明の突起で、奥歯の方は金属製を使用しています。金属製の方が外れにくいという特徴があるとともに奥歯の方は見えにくいため金属製にしても目立つことはありません。

 

インビザラインのゴムは医療用のゴムを使用

インビザライン治療に使用する顎間ゴムのエラスティックは、医療用のゴムが使われています。

輪ゴムのようにエラスティックは輪の状態になっていて、大きさの異なる種類がいくつかあります。輪の大きさが小さくなるほど、矯正する力は強くなります。歯を動かす距離や矯正する力の強さを考えて、どのゴムを使うかはドクターが決めることになります。このエラスティックをマウスピースに付けた突起状のボタンにひっかけインビザライン治療の矯正治療をシミュレーション通りの目標に近づけていきます。

 

エラスティックによるゴムかけの目的

ゴムかけをする目的はいくつかあります。

• 歯の移動を助ける

ゴムかけをすることで、単にインビザラインのマウスピース（アライナー）だけでの移動よりも歯が早く移動するのを助けます。インビザライン治療においてゴムかけを行う時期は、見た目の歯並びのガタガタが整ってきた時期が多く、噛み合わせの調整に入る頃に始まるケースが多いです。

• 噛み合わせを調整する

上下のマウスピースの突起にゴムかけをし、ひっかけて引っ張り合うことで、上下や左右にズレていた噛み合わせのバランスを調整することができます。

もちろん出っ歯や受け口のような前後の噛み合わせ治療でもゴムかけを行うことはあります。

ゴムをかける突起の位置によってかかる力の方向が変わり、患者様それぞれのズレを調整することができます。

 

ゴムかけは、歯並びや治療の状態によってゴムかけが必要ないまま治療が終了する場合がありますが、治療の過程で必要になる可能性があることは覚えておきましょう。

最初のシミュレーション通りの効果をしっかり出すためにもゴムかけが必要な場合はしっかり実施するようにしましょう。

 

ゴムかけをする際の注意点

インビザラインのゴムかけは患者である皆さんが自ら行わなければいけないためいくつかの注意点があります。

• まずは正しい位置に正しくかける

まずは大前提としてゴムを正しくかける必要があります。初めのうちは鏡を見ながらしっかり突起にゴムをかけましょう。

ゴムかけに使用するゴムの大きさや太さなどの種類は担当のドクターから指示がありますから、間違えないように指定されたエラスティックを使うようにしましょう。

ゴムかけ用の道具（エラスティックホルダー）があるのでそれを使いながら正しくひっかけます。

慣れないうちは時間がかかったり、ゴムをかけているため話しづらいといった不自由を感じるたりとおっくうではありますが忘れずサボらすしっかりかけるようにしましょう。

• ゴムは毎日新しいものに取り替える

ゴムかけに使用するエラスティックは毎日夜新しいものと取り替えましょう。

衛生的な意味だけでなく、ゴムの伸縮性が弱くなるとゴムかけの効果が減少してしまうためです。左右どちらかのゴムが切れてしまった場合は、片方だけを替えるのではなく両方新しいゴムに取り換えるようにしましょう。

これも左右の噛み合わせや引っ張る力を均等にして矯正する必要があるためです。

• 外出時には替えのゴムとケースを忘れずに！

外出する時、皆さんはインビザラインを収納するマウスピースケース（アライナーケース）を持っていくと思います。

もし、治療期間中にゴムかけを必要とする場合になったらマウスピースケース（アライナーケース）と一緒にゴムとゴムかけを収納するエラスティックホルダーも忘れずに持ち歩きましょう。

万が一、外出先でゴムが切れてしまったときはすぐに新しいものに付け替える必要があるためです。

外出先でゴムが切れてしまうなどトラブルが発生し、装着時間が短くなってしまうと矯正の仕上がりに大きく影響が出てしまうので、しっかり忘れないようにしましょう。

• 装着時間を守る

ゴムかけはインビザラインの大前提でもある装着時間が大切です。

基本的にマウスピースの装着時間と同等の最低1日20時間以上つける必要があります。

食事や歯磨き以外のときは、マウスピースを装着してゴムもかけると覚えておきましょう。

そのためにも先ほどのケースや替えが必要になります。

代表的な注意点を記載しましたが、ゴムかけが必要になった際にはしっかりと歯科医師に装着時間や掛け方、ゴムの種類などできるだけ細かく確認するようにしましょう！

 

まとめ

ゴムかけはインビザライン矯正治療の中では非常に大切です。

インビザラインのアライナー（マウスピース）で左右の歯並びを整えられるのはもちろんですが、上下の噛み合わせの調整や歯の動く速度など矯正の進捗によって必要になってきます。ゴムかけはゴムの力でアライナーだけの時よりもバランスも整える力が増します。

ただ、皆様自身がゴムかけを日々行わなければいけないため、マウスピースの装着と共に、自己管理がとても大切です。

インビザライン治療で、ゴムかけを正しく行えなかったり、ゴムかけの時間が十分に足りていないとマウスピースが合わなくなったり、インビザラインの矯正期間が延びてしまう可能性があるので注意しましょう。

「ゴムが足りなくなった」「仕事柄、ゴムかけは見た目の印象が変わるので難しい」という場合も、勝手に判断してゴムかけをやめたりせず、必ずクリニックの担当ドクターに相談するようにしましょう。