歯ぎしり・食いしばりがインビザラインに及ぼす影響|よくあるトラブルやその原因

歯ぎしり・食いしばりがインビザラインに及ぼす影響|よくあるトラブルやその原因

インビザラインは1日に22時間以上マウスピースをつけ続けて、歯を理想の形に整えていく新たな歯列矯正の方法です。透明で薄いマウスピースを常に装着しておかなければいけないため、歯に力が加わる歯ぎしりや食いしばりは、インビザライン治療においてさまざまな影響を及ぼします。

つい癖で歯ぎしりや食いしばりをしてしまう人もいるかと思いますが、実際にインビザラインにどのような影響を与えてしまうのでしょうか?

この記事では、歯ぎしり・食いしばりがインビザラインに与える影響やよくあるトラブルについて解説します。

歯ぎしり・食いしばりとは?

そもそも、歯ぎしりと食いしばりとはどのような状態を指すのでしょうか?

実は、歯ぎしりと食いしばりは似ているようで明確な違いがあります。まずはそれぞれどのような特徴があるのか解説します。

歯ぎしりとは無意識のうちに歯をすり合わせること

歯ぎしりとは、睡眠中や無意識のうちに歯をすり合わせることです。「ブラキシズム」とも呼ばれており、2種類に分類することができます。

  1. タッピング:上下の歯をカチカチと噛み合わせること
  2. グラインディング:上下の歯を横にギシギシとする合わせること

睡眠中に見られることが多いため、自分で気付くケースは少なく、ほとんどの場合は他人に指摘されて自覚する人が多いです。中には歯の異常なすり減りや、顎の骨の発達によって歯科検診にて診断されるケースもあります。

食いしばりとは強く噛みしめること

食いしばりとは上下の歯を強く噛みしめることです。「クレンチング」とも呼ばれており、睡眠中に発生することが多いですが、稀に日中に起こる場合もあります。

ちなみに、日中の食いしばりによる顎の骨への負荷は約60~70kg、睡眠中は体重の2倍以上あると言われています。

歯ぎしり・食いしばりの原因

なぜ、歯ぎしりや食いしばりが起こるのか、主な6つの原因について解説します。

1.ストレス

ストレスは歯ぎしりや食いしばりが起こる原因としてよく挙げられています。

とくに人間関係や仕事などで、なにか不安につながるような悩みを抱えているとストレスが高まりやすく、無意識に歯ぎしりや食いしばりをしてしまう傾向があります。

2.不安による緊張

絶対失敗したくないときは、失敗してはいけないという不安が付き物です。そして、不安によってプレッシャーが高まると、筋肉が緊張して歯ぎしりや食いしばりが増えることがあります。

緊張している時だけでなく、そのまま歯ぎしりや食いしばりが癖になってしまうこともあるので注意が必要です。

3.咬合異常

咬合異常とは、上下の噛み合わせが正常でない状態のことです。

咬合異常があると、噛み合わせのバランスを取ろうと無意識に歯ぎしりや食いしばりが出てしまうことがあります。

4.幼少期からの癖

歯ぎしりや食いしばりが見られる人の中には、幼少期からの癖で続いているケースがあります。

幼少期から歯ぎしりや食いしばりの習慣があると、成長しても続いてしまうことがあり、癖として定着してしまいます。癖になってしまうと、治すことは難しいです。

5.睡眠時の環境

寝具や枕が合っておらず睡眠時の姿勢が悪かったり、騒音などストレスのある環境の中で寝たりすると歯ぎしりや食いしばりを引き起こすことがあります。

6.生活習慣や癖

例えば普段から過度にカフェインやアルコールを接種していたり、喫煙や舌の噛み癖があるなど、普段の生活習慣や癖によって歯ぎしり・食いしばりを引き起こす場合があります。

歯ぎしり・食いしばりがインビザラインに及ぼす影響・トラブル

歯ぎしり・食いしばりがインビザラインに及ぼす影響・トラブル

もしも歯ぎしりや食いしばりがある場合、インビザラインの治療ではどのような影響やトラブルが出てしまうのでしょうか?

ここからは、実際に歯ぎしりや食いしばりがインビザラインに及ぼす影響などをご紹介します。

マウスピースの破損・変形

インビザラインは約0.5mm程度の厚さしかないプラスチック素材のマウスピースを使用します。ほかの歯科治療で使用するマウスピースとは異なり、可能な限り違和感を排除した作りになっているため、非常に薄いのが特徴です。

そのため、歯ぎしりや食いしばりのような強い力が加わると、マウスピースを破損・変形させてしまうリスクが高くなります。

一時的に歯ぎしりや食いしばりをする程度であれば問題ありませんが、癖になってしまっている場合はインビザライン治療そのものが難しいかもしれません。

咬合の変化

歯ぎしりや食いしばりによって強い圧力が加わると、歯が移動して咬合が変化してしまう場合があります。

インビザライン治療中に咬合が変化すると、治療の効果に影響を及ぼし、場合によってはマウスピースを全て作り直さなければならないケースに発展することもあります。

歯の移動を妨げる・安定して移動しない

歯ぎしりや食いしばりで強い圧力が加わると、歯の移動を妨げたり、本来なら安定して移動するはずの計画が不安定になってしまったりすることがあります。

歯の移動が妨げられると、インビザライン治療の進行が遅れ、治療期間がどんどん長くなってしまいます。

顎関節に負担がかかる

歯ぎしりや食いしばりは、顎関節に過度な負担がかかる場合があり、過度な負担がかかると、不快感が生じたり、顎関節症の症状が現れたりします。

また、顎関節への負担は、インビザライン治療の快適さや効果にも影響を及ぼす可能性も高いです。

インビザラインの歯ぎしり・食いしばり対策方法

インビザライン治療において、歯ぎしりや食いしばりが悪影響を与えてしまう可能性を解説しましたが、なにか対策方法はあるのでしょうか?

ここからは、インビザライン治療において、歯ぎしりや食いしばりがある場合の対策方法について解説します。

マウスガードを使う

歯ぎしりや食いしばりが癖となって定着している場合、歯科医師からマウスガード(ナイトガード)が勧められる場合があります。勧められない場合でも、不安ならば自分から使用を申し出てみるとよいでしょう。

マウスガードとは特殊なプラスチック素材で作られた装置で、歯ぎしり・食いしばりによる圧力を分散して、歯やマウスピースへの負担を減らすことができるアイテムです。

ちなみに保険適用になるので、3,000円程度の追加料金で作ってもらえます。

インビザラインの前に治療をする

もしも、インビザライン治療中に影響が出てしまうことが不安なのであれば、インビザラインの前に歯ぎしり・食いしばりの治療をすることもおすすめです。

マウスピースやボトックスなどの治療がありますが、インビザラインよりも安価なため、まずは歯ぎしり・食いしばりの治療から始めるのもよいでしょう。

強く噛まないように意識する

普段から圧力をかけないように、噛む力を強くしすぎない練習をして習慣化することをおすすめします。

例えば、舌の位置を上に持っていき、上下の歯の間に隙間ができるように意識したり、少し口を開けた状態で過ごしたりするなどの工夫をしましょう。

また、食事の際もゆっくりと正しく咀嚼することを意識して、歯の負担を減らす食べ方を練習してみてください。

すぐに効果がでないかもしれませんが、継続して意識し続けることで改善が期待できます。

まとめ

歯ぎしりや食いしばりは歯に強い圧力が加わるため、インビザラインとはあまり相性がよくありません。人によってはワイヤーなどの矯正方法に変更するなど、インビザライン自体ができないケースもあります。

しかし、しっかり対策を行えば、歯ぎしりや食いしばりがあってもインビザライン治療は可能です。

もし歯ぎしりや食いしばりがある場合は、歯科医師とよく相談をして、自分に合った治療方法や対策を探してみましょう。