インビザライン矯正中の歯磨きで注意すべきこと|歯磨きできない時の対処法も解説

インビザライン矯正中の歯磨きで注意すべきこと|歯磨きできない時の対処法も解説

インビザラインはマウスピースを装着して行う矯正治療ですが、装着前には必ず歯磨きを行う必要があります。

そして、装着前の歯磨きでは注意しなければならないことがいくつかあります。注意点を守らずに適当な歯磨きをしてしまうと、最悪の場合、マウスピースを作り直しになってしまうといったケースが起きるかもしれません。

この記事では、インビザライン矯正中の歯磨きではどのような部分に注意するべきか、歯磨きができないときの対処法とともに解説します。

インビザラインはマウスピース装着前の歯磨き必須!

インビザラインのマウスピースは食事の際に取り外さなければなりません。なぜならば、取り外さないと破損や変形、着色などの恐れがあるからです。

そして、マウスピースを装着する前は、必ず歯磨きをする必要があります。

マウスピース矯正をしていない人が、食後に歯磨きをしなくても虫歯にならないのは、唾液に殺菌作用があるからです。しかし、インビザラインのようにマウスピース矯正を行っている場合、唾液がまんべんなく口腔内に行き渡らないため殺菌作用が発揮されません。

さらに、食べかすなどの汚れや細菌が、マウスピースと歯に密着した状態になるため、細菌が繁殖して虫歯や歯周病のリスクが高まります。

虫歯や歯周病ができてしまうと、インビザラインよりも治療を優先されます。虫歯治療による詰め物や被せ物で、歯の形が大きく変わってしまうと、マウスピースを作り直さなければなりません。

マウスピースの作り直しが発生すると、治療期間が長引くだけでなく、追加費用がかかる可能性もあります。今までの治療を無駄にしないためにも、インビザライン矯正中まマウスピース装着前に必ず歯磨きをしましょう。

インビザライン矯正中の歯磨きで注意するべきこととは

インビザライン矯正中の歯磨きで気をつけなければならないことがいくつかあります。

ここからは、どのような点に注意するべきかご紹介します。

歯の表面の汚れをしっかり綺麗に落とす

まずは、歯の表面に付着した汚れをしっかり綺麗に落とすことを意識して磨くことが重要です。

歯ブラシの毛先を歯の表面にしっかり当てて、150~200gほどの軽い力で小刻みに動かしながら磨きましょう。だいたい1ヶ所あたり20回以上、2~3分程度かけて磨くと綺麗に汚れを落とせます。

ただし、歯ブラシの毛先が広がっていると表面の汚れが落としにくくなるので、毛先が広がり出したら新品に変えてください。

ちなみに、電動歯ブラシを使うと短時間でしっかり汚れを落とせるので、この機会に使ってみるのもおすすめです。

歯間の汚れを残さないようにする

インビザライン矯正中は、歯が移動する過程で歯間部に隙間ができやすくなります。

歯間の隙間は食べ物が詰まりやすく、歯石もできやすい場所です。歯ブラシの毛先がしっかり隙間に入るように、歯磨きをしてください。

また、歯間ブラシやデンタルフロスで磨くと、歯間の汚れもしっかり落とせるのでおすすめです。

アタッチメントの周囲の磨き忘れも注意

インビザラインでは歯を動かしやすくするために、歯の表面にアタッチメントを取り付ける場合があります。

アタッチメントは樹脂製の突起物のため、周囲の磨き残しが多くなりがちです。

アタッチメントに対して歯ブラシの毛先を45度に傾けて当て、境目の汚れまでしっかり落とすように意識しましょう。

歯磨き粉はフッ素入りがおすすめ

インビザライン矯正中の歯磨きに使用する歯磨き粉はフッ素入りがおすすめです。

高濃度フッ素を配合した歯磨き粉は歯科医院だけでなく、ドラッグストアやスーパーなどでも簡単に購入できます。

フッ素には再石灰化の促進や歯質の強化、細菌の働きを抑制する働きがあるため、虫歯予防に効果的です。

マウスピース装着中は、口腔内全体に唾液が行き渡りにくいため、唾液の殺菌作用やエナメル質を補う再石灰化の作用が弱まってしまいます。そのため、フッ素入りの歯磨き粉を使用することで、唾液本来の作用が発揮できない部分を、フッ素で補うことができます。

マウスピースもきちんと洗浄する

歯磨きだけ完璧にしていればいいわけではありません。マウスピースは口の中に入れるものなので、装着していると徐々に汚れていきます。

不衛生なマウスピースを装着すると、細菌が繁殖して虫歯や口臭の原因になってしまう恐れがあるので、マウスピースもしっかりと洗浄しましょう。

水道水もしくは薄めた中性洗剤を使って、手や歯ブラシで優しく洗ってください。なお、歯磨き粉には研磨剤が含まれており、マウスピースが傷ついてしまうため使用してはいけません。

歯磨きが終わったらすぐにマウスピースを装着する

マウスピースは1日20~22時間以上装着しなければなりません。装着していない時間が長くなるほど、歯並びが元に戻ろうとする後戻りが起こりやすくなります。

そのため、歯磨きが終わったら忘れないうちに、マウスピースを装着するようにしましょう。

インビザライン矯正中に歯磨きができない時の対処法

インビザライン矯正中に歯磨きができない時の対処法

インビザライン矯正中に、仕事や行事の影響で装着前の歯磨きができないこともあるでしょう。

時間がなくてできないときは軽くでもいいので歯磨きをすることをおすすめしますが、状況によっては歯磨き自体が難しい時があるかと思います。

そんな歯磨きできない時はどうすればよいのか、対処法について解説します。

水やマウスウォッシュでうがいをする

歯磨きをする時間がない場合は、水やマウスウォッシュでうがいをするだけでも、汚れをある程度洗い流せます。

なお、刺激の強いアルコール配合のマウスウォッシュは、口腔内が乾燥しやすくなるため、違和感や刺激が強いと感じたらノンアルコールタイプを試してみてください。

ただし、マウスウォッシュを使ってもしっかり汚れが落とせるわけではありません。うがいはあくまでも応急処置であり、マウスウォッシュは口腔内を清潔に保つために補助的に使用するものです。

「マウスウォッシュを使ったから歯磨きしなくてもOK」というわけではないので注意してください。

デンタルフロスやつまようじである程度の汚れを落とす

歯磨きが難しいときにささっと汚れを落とすなら、デンタルフロスや歯間ブラシ、つまようじを使うとよいでしょう。

歯の表面の汚れを落とすのは難しいですが、歯間の汚れをある程度落とせます。つまようじならば、多くの飲食店で席やドリンクバーなどに設置されているので使いやすいでしょう。

指磨きをする

ティッシュや紙ナプキンを使って、指磨きをするのもおすすめです。歯磨きシートがあれば、さらに汚れを落としやすいです。

歯の表面の汚れしか落とせませんが、応急処置の手段として覚えておきましょう。

歯磨きができる状態になったら歯磨きをする

歯磨きができる状態になったら、すぐに歯磨きをしてください。たとえ指磨きやつまようじでスッキリ汚れを落とせていても、歯ブラシほどしっかり磨くことはできません。

歯磨きができる状況や時間が作れたら、マウスピースの洗浄も兼ねてしっかり歯磨きをするようにしましょう。

まとめ

インビザライン矯正中は唾液による殺菌作用や自浄作用が発揮されません。そのため、しっかり歯磨きをして、清潔な状態でマウスピースを装着することが大切です。

もしも歯磨きができない状況になったら、うがいやつまようじなどである程度汚れを落とすなどの対処をしてください。

もちろん、対処法はあくまでも応急処置であり、歯磨きほど汚れを落とせる方法ではありません。歯磨きができる状態になったらすぐに歯磨きをして、清潔な状態を保ちましょう。