インビザラインファーストってなに?子どもでもできるマウスピース矯正のメリットと注意点
インビザラインはマウスピース矯正の一種ですが、その中でも子どもが受けるインビザライン治療を「インビザラインファースト」と言います。
子供が受ける治療ですが、インビザラインファーストとは何歳から受けることができ、実際にどのような治療となるのでしょうか?
この記事では、インビザラインファーストと一般的なインビザラインにはどのような違いがあるのか、メリットや注意点とともに解説します。
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インビザラインファーストは子どものインビザライン治療
インビザラインファーストとは、乳歯と永久歯の両方が生え揃っている状態の子どもが受けるインビザライン治療のことです。インビザラインファーストを受けるには、適応条件に当てはまっている必要があります。
まずは、インビザラインファーストについて詳しく解説します。
インビザラインファーストの適応条件・対象年齢
インビザラインファーストは、乳歯と永久歯が混在している「混合歯列期」の子ども専用のマウスピース矯正です。
インビザラインファーストは「あごの大きさを広げて成長をサポートすること」と「歯を動かして理想的な歯並びを実現すること」を同時にできます。
適応年齢は7~9歳前後からです。ただし実際は、年齢ではなく生え変わりの状態によってインビザラインファーストが受けられるかどうかが決まります。
下記全ての適応条件に当てはまっていなければ、インビザラインファーストを受けることはできません。
- 第一大臼歯(6歳臼歯・前から6番目の歯)が萌出していること
- 切歯(前歯)のうち最低2歯が2/3以上萌出していること
- 最低3/4顎に乳歯(C、D、E)または未萌出の永久歯 (3、4、5)が2歯以上あること
1期治療・2期治療とは?
子供の矯正治療は歯の生え変わりを目安に行い、治療する時期によって「 1期治療」と「2期治療」に分かれます。
■1期治療
乳歯と永久歯が混在している「混合歯列期」に行います。歯並びを整えながら、あごの大きさを広げて永久歯が正しい位置から生えるための土台を作ります。
■2期治療
永久歯が生えそろった「永久歯列期」に行います。いわゆる成人矯正で、大人の矯正治療と同様、 一つひとつの歯を動かして歯をキレイに並べるための治療です。
インビザラインファーストの治療期間
インビザラインファースト(1期治療)の治療期間は最大で18か月と決まっており、治療終了後は、永久歯が生え揃うまでリテーナーと呼ばれる保定装置を装着しながら経過観察を行います。もしこの時点で歯が綺麗に整えば、1期治療のみで終了です。
1期治療で終わらない場合は、2期治療(成人と同じインビザライン治療)を行い、永久歯も綺麗に整えていきます。
インビザラインファーストの特徴
ここからは、インビザラインファーストの特徴について解説します。
マウスピースが透明だから目立たない
インビザラインファーストで使用するマウスピースは、薄くて透明なので目立ちません。
ワイヤー矯正の場合、ワイヤーが見えることでコンプレックスに感じる子どもも少なくありませんでしたが、インビザラインファーストなら周囲に気付かれにくいので、コンプレックスに感じることもないでしょう。
マウスピースが薄いから日常生活の邪魔をしない
マウスピースは薄くて滑らかな素材で作られているため、装着時に違和感を覚えることはほとんどありません。
そのため、授業中の集中力を欠くことも、スポーツなどを行う際のストレスも感じずに過ごすことができます。
また、転倒や衝突により口内を怪我するリスクも最小限に抑えられます。
取り外し可能だから虫歯になりにくい
子どもの矯正治療では歯磨きの難易度が上がってしまい、虫歯のリスクが高まることが心配されます。
しかし、インビザラインファーストのマウスピース矯正では、食事や歯磨きの際に取り外すことができるため、歯磨きの難易度は矯正前と変わりません。
そのため、ワイヤー矯正などと比較すると虫歯になりにくいメリットがあります。
食べ物・飲み物の制限がない
食事の際にはマウスピースを外して食べるので、食生活を変える必要はありません。好きなものを食べたり飲んだりしてよいので、食生活への影響は少ないでしょう。
ただしマウスピース装着中は、水以外の飲み物を摂取すると虫歯のリスクが高まったり、マウスピースの着色汚れの原因となったりするため注意が必要です。
また、食事中はマウスピースを外し、食事後歯磨きを徹底するといった自己管理が重要になってきます。
子どものうちからインビザラインを始めるメリットとは
子どものうちからインビザラインを始めることでさまざまなメリットが得られます。具体的にどのようなメリットがあるのかご紹介します。
顎の発達の歯列矯正を同時にできる
不正咬合の原因のひとつは、永久歯が生える十分なスペースがないことです。
インビザラインファーストは、顎の成長をサポートして十分なスペースを確保できるようになるといった効果があります。
そのため、顎の発達と歯列矯正の両方を同時にでき、永久歯を正しい位置に生やすことが可能です。
歯列矯正による抜歯や外科手術の可能性が低くなる
不正咬合の主な原因は歯を並べるスペースが不足していることですが、顎の発達をサポートすることで、歯を並べる土台が整って十分なスペースを確保できるようになります。
不正咬合が重度な場合は、歯列矯正だけでなく抜歯や外科手術も必要になる場合がありますが、子どものうちからインビザラインを受けていれば、抜歯や外科手術の可能性が低くなります。
インビザラインファーストの注意点を解説
さまざまなメリットがあるインビザラインファーストですが、治療中は注意しなければいけない点がいくつかあります。
では、インビザラインファーストではどのような部分に注意するべきなのか解説します。
適応条件に当てはまっていないと治療を受けられない
まず、インビザラインファーストは適応条件の全てに当てはまっていないと治療を受けられません。
適応条件に当てはまっていない場合は、時期をずらして再度受けるか、成人と同じインビザライン治療を受けることになります。
装着時間を守らないと失敗する
インビザラインファーストは、マウスピースの装着時間を守らなければ効果が現れません。
装着時間は1日20~22時間以上です。そのため、食事や歯磨き以外の時間は極力装着する必要があります。
なお装着時間を守らなければ、顎の成長や歯並びのコントロールが不十分で、治療計画通りに進められない可能性があり、最悪の場合は治療が失敗します。
取り外しができるというメリットがある一方で、自己管理が重要となる治療法なので、装着時間をしっかりと守れるような工夫が必要です。
まとめ
インビザラインファーストとは永久歯と乳歯の両方が生え揃っている子どもが受ける歯列矯正治療です。
適応条件の全てに当てはまっていなければ受けることはできませんが、子どものうちからインビザラインで歯列矯正を行うことでさまざまなメリットを得られます。
将来的に歯の健康を維持するためにも、歯並びが気になりだしたらインビザラインファーストについて、歯科医師に相談してみましょう。