インビザラインが作り直しになるケースとは?その原因と費用、かかる期間をご紹介

インビザラインは、透明のプラスチック素材で作られた薄いマウスピースを使用します。まずはじめにマウスピースを一括で作り、順番につけていくことで徐々に歯を動かし、理想の形へと矯正していく歯列矯正です。
マウスピースは治療計画に沿って作られるものですが、実はさまざまな要因によって作り直しになるケースも少なくありません。
では、マウスピースはどのような原因で作り直しになるのでしょうか?
作り直しになるケースと費用、かかる期間について解説します。
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インビザラインではマウスピースを作り直すことがある
インビザラインは部分・全体矯正問わず、歯の全体を覆うマウスピースを装着して少しずつ理想の歯並びへ近付ける治療法です。
そのため、治療の過程で微調整や追加が必要になる場合があります。とくに全体矯正の場合はシミュレーション通りに動かないことも多いため、平均して3~4回の作り直しや修正が必要になると言われています。
インビザラインでマウスピースを作り直すことは失敗だと思われがちですが、よくあることなので作り直しになってもあまり気にする必要はありません。
インビザラインが作り直しになる原因
インビザラインでは、最初から最後までのマウスピースを一括で作成します。1回分ずつマウスピースが作られるわけではないため、さまざまな要因によって作り直しが必要になることがあります。
インビザラインでマウスピースが作り直しになる原因について解説します。
マウスピースを正しく装着していない
インビザラインのマウスピースは、密着感を重視して作られています。歯の表面にアタッチメントという装置を取り付けることで、マウスピースと歯がピッタリと密着し、少しずつ圧をかけていくことで理想の歯並びへと近づけます。
しかし、最初はきつく作られたマウスピースを装着することが難しく、なれるまでマウスピースが浮いた状態で装着してしまう人も少なくありません。
マウスピースはしっかり歯と密着させることが大切なので、少しでも浮いてしまっていると、理想の状態まで動かすことができなくなります。その結果、計画通りに歯が動かず、マウスピースが作り直しになってしまうことがあるのです。
また、本来のスピードで動いていないため、治療期間も長引いてしまう可能性もあります。
マウスピースの装着時間を守っていない
インビザラインはマウスピースを正しく装着することが大切ですが、装着時間を守ることも非常に重要です。
マウスピースの装着時間は1日22時間以上が理想的だとされています。22時間が難しい場合でも、最低20時間以上は装着しないと計画通りに歯が動きません。
付け忘れが多かったり、歯を磨いたあとに装着しないまま寝ることが多かったりして装着時間が守れないと、計画通りに動かないだけでなく、歯が後戻りしてしまうなどのトラブルが発生する可能性があります。
もしも後戻りなどのトラブルが発生した場合、当初の計画で作ったマウスピースは合わなくなるので、新たにマウスピースを作り直さなければなりません。
シミュレーション通りに歯が移動していない
インビザラインでは最初に、コンピューターによって矯正中の歯の動きをシミュレーションします。そしてシミュレーションに沿ってマウスピースを作成しますが、実際人間の体はコンピューターのように正確に動かすことはできません。
そのため、正しくマウスピースを装着していても、コンピューターのシミュレーションと誤差が出てしまうことがあります。
誤差が開いてしまうと、理想の歯並びに近付けにくくなるため、マウスピースが作り直しになることがあります。
マウスピースの紛失・破損
インビザラインのマウスピースは食事や歯磨きの時間は取り外さなければなりません。そのため、1日に何度も着けたり外したりをくり返します。
そのため、ついマウスピースを紛失してしまうことも多いです。また、マウスピースは薄いプラスチック素材でできているため、形が歪んだり裂けてしまったりなど、破損してしまうこともあります。
マウスピースを紛失・破損してしまった場合も作り直しになるので取り扱いには注意しましょう。
奥歯の噛み合わせが合っていない
インラインビザで少しずつ歯を移動させているうちに、奥歯との噛み合わせにズレが生じてしまうことがあります。ズレが生じて噛み合わせが悪くなると、マウスピースを作り直さなければなりません。なぜならば奥歯の噛み合わせが悪いと、歯周病や顎関節症、肩こりなどさまざまなトラブルが生じやすくなるからです。
インビザラインの目的は、歯並びを綺麗にすることですが、噛み合わせがよくなることは歯の健康寿命を延ばす大切な鍵になります。そのため、見た目は綺麗でも奥歯の噛み合わせがズレてしまった場合は、マウスピースが作り直しになります。
マウスピースの作り直しにかかる期間
マウスピースが作り直しになると、その分治療期間も長くなるのではと思われるかもしれません。
ただし、インビザラインにおいてマウスピースが作り直しになることはよくあることなので、治療期間のシミュレーションも作り直しを考慮して想定されています。
後戻りなどのトラブルがあれば、治療期間は長引きますが、作り直しになるだけならば、大幅に長引くことはないでしょう。
では、マウスピースを作り直すのにはどのくらいの期間かかるのか、届くまでの間の対処法とともに解説します。
シミュレーションから治療開始までと同じ期間必要
マウスピースの作り直しにかかる期間は、治療前のシュミレーションから治療開始までと同じくらいの時間が必要です。歯科医院によって多少の差はありますが、だいたい1ヶ月程度はかかります。
なぜならば作り直しになる際は、アタッチメントを除去し、再度精密検査をしてシミュレーションをやり直し、新しい治療計画を立ててマウスピースを発注するからです。そのため、約1ヶ月ほど時間がかかります。
作り直したマウスピースが届くまでは直前に使っていたものを装着する
新しいマウスピースが届くまでは、型取りする直前に使っていたマウスピースを装着します。
なぜならば、型取りした歯並びから新しくマウスピースを作るため、後戻りを防いで維持しなければならないからです。
通常、マウスピースは1~2週間で交換しますが、マウスピースを作り直している間は約1ヶ月ほど同じものを使い続けなければなりません。いつも以上に丁寧に取り扱い、破損しないように注意しましょう。
マウスピースの作り直しにかかる費用
インビザラインでマウスピースを作り直すことはよくあります。そのため、基本的には全体の治療費の中に、マウスピースを作り直す費用が含まれている歯科医院がほとんどです。
しかし、歯科医院によっては追加料金が発生する場合や、作り直しに追加料金が発生しない回数に制限を設けているケースもあるため、料金形態や契約書を事前によく確認しておきましょう。
また、追加料金がどのくらい加算されるのかは歯科医院によって異なります。作り直しになることケースは少なくないので、契約前に必ず金額の確認をしておくことをおすすめします。
まとめ
インビザラインでマウスピースが作り直しになるケースはよくあります。たとえ、正しく治療を進めていても、コンピューターとのシミュレーションに誤差が出たり、思わぬトラブルが発生したりすることが往々にしてあるからです。
「作り直し=治療失敗」ではないため、万が一作り直しになったとしても気にする必要はありません。
もしも、マウスピースの作り直しが必要になるトラブルが発生した場合は、すぐに担当の歯科医師に相談し、早急に対処してもらいましょう。
なお、作り直しにかかる費用に関しては、歯科医院によって異なるため、契約前によく確認することを忘れないようにしてください。
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