インビザラインとは?治療の流れから期間、費用相場、他の治療法との違いまで全て解説
歯列矯正治療と言えば、以前はワイヤー矯正が主流でしたが、現在はインビザラインの人気が高まっています。
インビザラインは目立ちにくく痛みの少ない歯列矯正治療で、技術もどんどん進歩しており、以前は対応できなかった症例にも次々と対応できるようになってきました。
実績数が増え続けるインビザラインとは、一体どのような治療なのでしょうか。
この記事では、インビザラインの治療の流れから期間、費用相場などをまとめて解説します。
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インビザラインとはどんな治療?
まずは、インビザラインとはどのような治療なのか、その他の治療法との違いとともに解説します。
インビザラインの特徴
インビザラインは取り外し可能な透明のプラスチック製マウスピースを使う歯列矯正のことです。
マウスピースは透明なので、周囲から気付かれることなく治療できます。また、とても薄いため違和感がほとんどなく、痛みが少ないところも特徴です。
マウスピースは1~2週間ごとに新しいものに交換し、徐々に理想の歯並びへと近付けます。通院回数が少なく、幅広い症例に対応しています。
現在は世界100カ国以上の国と地域で提供されており、1400万人以上の実績を誇る正シェアNo.1のマウスピース矯正となりました。
インビザライン以外の矯正治療方法
歯列矯正の治療方法はインビザライン以外にもあります。
まずは従来、主流だった「ワイヤー矯正」です。歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、ワイヤーを通して圧力をかけながら歯を移動させる治療です。
歯の表面ではなく、裏側にブラケットを取り付ける「裏側矯正(舌側矯正)」もあります。歯の裏側は凹凸が多く複雑な形状をしているため、高い技術が必要な治療方法です。
「マウスピース矯正」は透明なマウスピースを使う治療方法で、インビザラインはこのマウスピース矯正に当てはまります。
「インビザライン=マウスピース矯正」と思われがちですが、実はインビザラインはマウスピース矯正の一種であり、ブランド名です。マウスピース矯正自体はインビザライン以外にも、さまざまなメーカー・ブランドで展開されており、それぞれ適応症例や治療費、治療方法が異なります。
インビザラインの治療の流れ
インビザラインの治療はどのように行われるのか、治療の流れについて簡単にご紹介します。なお、治療の流れは歯科医院によって多少異なる場合があります。
1.カウンセリング
まずはカウンセリングから始まります。
カウンセリングではインビザラインに対する不安や疑問、治療内容の提案など、さまざまな相談をします。
症例によってはインビザライン以外の矯正治療を提案される場合もあります。
2.検査
インビザラインで矯正治療はできるのか診断するために検査を行います。
同時に保険適用での虫歯・歯周病の検査も行い、虫歯や歯周病が発見された場合は、インビザラインよりも先に治療を行い、完治してから矯正が始まります。
診断結果によって治療方法が案内されますが、カウンセリング同様に希望や疑問などを相談することが可能です。
3.治療計画の確認(クリンチェック)
クリンチェックと呼ばれる治療計画のシミュレーション動画が作成されるため、どのように進行するのかを確認します。
矯正治療は、このクリンチェックをもとに進められます。
4.矯正治療
クリンチェックを行ってからおよそ2~3週間後から矯正治療が始まります。クリンチェックの際にスキャンで緻密に再現された歯型の3Dを元に作られたマウスピース(アライナー)が届くので、歯科医師の指示のもと、マウスピースを1~2間ごとに交換し少しずつ歯を動かしていきます。
インビザラインは自己管理で行う治療ですが、2~3ヶ月に1回くらいの頻度で定期的に通院し、歯の動きを確認してもらいます。
場合によってはマウスピースの調整や作り直しもあり、もしも虫歯や歯周病が発見された場合は治療が優先となるので、なるべく口内のトラブルが起きないよう注意しましょう。
5.保定期間
マウスピース矯正終了後は、保定期間に入ります。
見た目は完璧に整えられていてもそのまま放置してしまうと元の場所へ戻ってしまうため、この後戻りを防ぐために、保定装置(リテーナー)を使用し歯を安定させます。
保定期間中も定期的に通院は必要です。主に保定装置の調整やメンテナンスなどを行います。
インビザラインの治療期間
インビザラインの治療期間は「マウスピース矯正+保定期間」で算出されます。
ここからは、インビザラインの治療期間は大人と子どもそれぞれでどのくらいかかるのかをご紹介します。
大人の場合は約2〜3年
インビザラインの治療期間は歯を動かす距離によって変化しますが、平均は約2~3年ほどです。ほとんどの症例で2年以上かかっています。
数ヶ月で終わるマウスピース矯正もありますが、インビザラインは比較的矯正期間が長いです。インビザラインの治療期間が長い理由は、1枚のマウスピースで動かせる距離が約0.25~0.35mm程度であり、1mm動かすのに約2ヶ月程度かかるからです。
さらに後戻りを防ぐ保定期間は、マウスピース矯正の期間と同じくらいの時間が必要になります。
1年で歯列が整ったら、同じく保定期間に1年必要になるため、多くの症例で2年以上かかってしまうというわけです。
子どもの場合は1年半程度
乳歯と永久歯が混同している子どもの場合、インビザライン・ファースト(1期治療)と呼ばれる専用の治療を受けます。
インビザライン・ファーストの目的は歯列矯正がメインではなく、土台となる顎の拡大とバランスの改善です。
インビザライン・ファーストは治療期間が1年半以内と制限されています。その後は永久歯が生え揃うまで保定装置を装着しながら経過観察に入ります。
経過の状況によっては必要に応じて、2期治療を行う場合があります。
インビザラインの費用相場
インビザラインの費用は矯正する部分か全体か一部かで大きく変動します。
大人と子どもそれぞれの費用相場をご紹介します。
大人の費用相場は70万〜100万円程度
大人の費用相場は、全体矯正ならば約70~100万円程度、部分矯正ならば半額ほどの約30~60万円程度です。
部分矯正は2~3本から可能ですが、マウスピース自体は全体を覆う形で製作されます。
子どもの費用相場40万〜120万円程度
子どもの費用相場は約40~120万円程度です。
インビザライン・ファーストだけで終了する場合は約40~60万円、2期治療が必要な場合はさらに約40~60万円ほど加算されます。
まとめ
インビザラインは透明のマウスピースを使った歯列矯正治療です。少しずつ歯を動かすため、長い時間をかけて歯列を整えますが、その分痛みもストレスも少ない治療方法となっています。
なお、インビザラインは自由診療のため、歯科医院によって治療費が異なります。
費用の差でマウスピースの品質に差が出るわけではありませんが、歯科医師の技術や実績、カウンセリングやアフターケアの丁寧さ、対応が異なるので、よく比較してから歯科医院を選びましょう。