インビザラインは医療費控除の対象!?申請の注意点・申請方法を解説

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「インビザライン矯正治療にかかるお金は、医療費控除の対象になるの?」

「医療費控除を受けた場合、どれくらい所得税が軽減される?」

「医療費控除の申請って面倒なんでしょ!?」

そんな声をよく聞きます。

(それだけインビザライン歯列矯正を検討したり実際にインビザラインで矯正をしている方が増えていることになるのはうれしいことです。)

このコラムの「インビザラインの費用相場|内訳や費用を抑える方法を解説」でもご紹介しているようにインビザラインは基本的には自由診療のため治療費は高額になります。

ただ、医療費控除を受けることができたならその費用を抑えることができます。

今回はインビザラインと医療費控除について詳しくご紹介したいと思います。

そもそも医療費控除とは

医療費控除とは、所得税法に基づき、個人が自分自身または配偶者、子供などの扶養家族の医療費を支払った場合に、その金額を所得から控除する制度です。

一般的に会社員や会社役員等の方は、

  • 毎年年末に会社から年末調整に必要な書類を手渡される
  • 手渡された書類を記載し、保険の控除証明書等必要書類を併せて会社へ提出する

以上の手続きにより、会社で年末調整事務(従業員の1年間の税金の計算)が行われ、源泉徴収票が発行され、1年間の所得税の計算は終了になります。

これですべて完了したと思っていませんか?

この際の年末調整において、社会保険や生命保険の支払いやご家族の扶養の状況等を加味した所得控除の計算は行われますが、医療費控除は年末調整では手続きできません。

医療費控除は確定申告で改めて手続きが必要になります。

「医療費控除による還付」とは、1年の1月から12月までにご自身(自分自身または配偶者、子供などの扶養家族含む)の医療費を支払った金額の合計額

  • 期間中に10万円以上の方
  • 所得金額が200万円以下で年間の医療費が所得額の5%以上の方

上記の場合に、その超えた部分の金額が、年末調整で計算した所得控除の金額に加算されることにより、所得税の再計算が行なわれ、その再計算した金額と源泉徴収された金額の差額が還付されるといった仕組みになります。

あくまでも、医療費を一定額以上支払った場合に計算した金額が税金の計算上優遇され、税金の還付を受けることができるというものなので、医療費が戻ってくるというわけではありません。

インビザラインは自由診療のため治療費も高いため金額面では上記の条件に当てはまるので、金額面では医療費控除の対象になります。

インビザラインでの治療費は医療費控除の対象になるの?

インビザラインは上記のように金額面では医療費控除の対象になります。

では診療的にはどうなのでしょうか?

インビザラインには医療費控除の対象になるケースとならないケースがあります。

医療費控除になるケース

それは

「歯の機能の問題を解決するためにインビザライン治療を実施した場合」

です。

医療費控除の対象にならないケース

それは

「審美(見た目)のためにインビザラインを治療を実施した場合」

です。

上記のように「歯本来の機能に問題がある」場合は医療費控除の対象になります。

また、医療費控除の対象は、インビザライン治療における検査費・矯正治療費・アライナー代はもちろん、交通費も対象になります。

(ただし、交通費は公共交通機関の利用費用のみです。タクシー代やお車での通院のガソリン代などは含まれないので注意しましょう)

ちなみに

デンタルローンを組んだ場合でも医療費控除になります。

ただ、医療費控除には歯科医院で発行される領収書の代わりにデンタルローンの契約書が必要になる場合がありますので、両方ともしっかり保管するようにしましょう。

(※ただ、デンタルローンの手数料や金利は控除の対象外になります)

実際に医療費控除を受けるとどれくらい軽減される?

今までに記載の通り、インビザラインによる歯列矯正でも条件を満たせば医療費控除の対象になることが分かりました。

では実際にどれくらい軽減されるのでしょうか?

シミュレーションしてみた

以下のモデル条件で計算してみましょう

年収 400万円
年間医療費 120万円
保管などの補てん額 なし

上記の場合の所得が200万円以上なので医療費控除額の計算方法は、以下の通りです。

医療費控除額=年間の医療費の合計額-保険金などの補てん額-10万円

シミュレーション結果

医療費控除額は110万円となります。

下記の累積課税額の表より年収400万円の方の課税率は20%になります

累積課税額の表

ということは

110万円(医療費控除額)× 20%(所得税)= 22万円(還付金)

住民税も安くなる

医療費控除を受けると、住民税も軽減されます。所得にかかる住民税の税率は、お住いの地域にもよりますが原則10%です。そのため、医療費控除額の10%分の金額が、住民税から軽減されることになります。

ということは、

医療費控除の110万円の10%である11万円が医療費控除前の住民税から引かれます。

年収400万円の方の住民税や40万円ですが、医療費控除を受けることで40万円の住民税のうち11万円が軽減されることになります。

医療費控除の申請方法と手順

医療費控除受けることができれば、決して少なくない還付金を受け取れるだけでなく、住民税も軽減できたりすることが分かりました。

だからこそ、インビザラインが医療費控除の対象になる方には、ぜひ医療費控除の申請をすることをお勧めいたします。

申請に必要な書類

医療費控除を受けるためには、皆様地震で必要書類を集めなければいけません。

どれか1種類でも必要な書類が欠けていた場合、スムーズに医療費控除の手続きを行うことはできません。

医療費控除を受けるために必要な書類は、以下の5点です。

  • 年間に支払った医療費の領収書
  • 医療費控除の明細書
  • 本人確認書類のコピー
  • 源泉徴収票
  • 確定申告書

上記5点の書類が集まれば、医療費控除の申請ができます。

年間に支払った医療費の領収書を参照しながら、医療費控除の明細書に内訳を記入していきましょう。

記載方法は国税庁ホームページの医療費控除明細書の記載要領をご確認ください。

医療費控除の申請手順

先述の申請に必要な書類が整い次第、税務署に提出すれば申請完了です。

税務署への提出方法は3つ

  • 税務署に訪問し直接申請
  • 郵送での申請
  • e-Taxを活用してオンライン申請

どの方法でも還付の金額が変わったりなどはありませんが、オンライン申請の場合は通常より早めの1月初旬から申請可能ですので、還付金の振込が早いことが多いので、オンライン申請がおススメです。

医療費控除を受ける際の注意点

上記の手順を踏んでいただければ、簡単に医療費控除の申請をすることが可能で医療費控除を受けられます。医療費控除を受ける際には、いくつか注意点もあります。

診断書の提出を求められる場合がある

インビザラインの治療費は高額なため、税務署が治療目的を確認する(審美目的ではないかを確認する)場合があります。

その場合診断書の提出を求められる可能性があります。

(クリニックによっては診断書の発行にお金がかかる可能性があります)

領収書(デンタルローンの契約書を含む)は5年間保存すること

医療費控除にて申請した根拠となる領収書やデンタルローンの契約書は、必ず5年間の保管が必須です。

2018年より、医療費控除の申請時に領収書などの添付をする必要がなくなりました。

その代わりに、税務署から求められた場合は提示しなければなりません。

そのため、5年の間は治療が終わったからといって、安心して領収書やデンタルローンの契約書を破棄したりしないようにしてください。

まとめ

インビザラインによるマウスピース歯列矯正は目的が審美目的でなければ医療費控除を受ける可能性が高いです。

また、2018年から医療費控除の申請に領収書の提出が不要になったので、より気軽に申請しやすくなっています。

医療費控除を申請すると、住民税が軽減されたり、還付金を受け取れたりとお得なので、医療費控除の対象のケースではぜひ申請しましょう。

カウンセリングの際には是非、自分の歯並びが医療費控除の対象になるかどうかもご確認することをオススメします。