インビザラインで出っ歯は治る?矯正の流れや期間、治せない事例とは

インビザラインで出っ歯は治る?矯正の流れや期間、治せない事例とは

インビザラインは新しく登場した歯列矯正治療です。ワイヤー矯正と比較するとまだ歴史も浅く、どこまで対応しているのか、どのような歯並びなら矯正できるのか歯科医院によって若干の違いがあります。

では、インビザラインで出っ歯は矯正できるのでしょうか?

治せない事例や矯正の流れとともに、インビザラインでの出っ歯治療について解説します。

インビザラインで出っ歯は治るのか

インビザラインとはマウスピースを使った矯正のひとつです。従来のワイヤー矯正と違い、マウスピースが目立たず、自分で取り外せる点から、近年人気を集めています。

インビザラインで出っ歯は治るのか、治らない事例とともに解説します。

インビザラインで出っ歯は治る可能性が高い

結論から言うと、基本的にはインビザラインで出っ歯を治すことは可能です。特に傾斜による出っ歯の場合は、歯並びを綺麗に矯正できます。

インビザラインで出っ歯を矯正することで、歯が内側に入って口元が収まり、横顔も綺麗に整います。

インビザラインでは出っ歯が治らないと言われる理由

インビザラインでは出っ歯を治せないと言われることがある理由は、歴史が浅いからです。

日本でワイヤー矯正が行われるようになったのは1950年ごろからですが、インビザラインは2006年から。インビザラインが行われるようになってからまだ20年も経過していないため、症例も少なく近年まで確立されていませんでした。

しかし現在は、インビザラインの方がライフスタイルに合っていると考える人が増え、症例数も増加。データが蓄積されていったことで、きちんと治療として確立され、難しい事例もしっかり治すことができるようになりました。

骨格が原因の出っ歯は治せない可能性がある

歯の傾斜による出っ歯は基本的に綺麗に治せますが、骨格のズレによって出っ歯になってしまっている場合は、インビザラインだけでは治療が難しいです。

例えば、極端に「上顎が前に出ている」もしくは「下顎が後ろに下がっている」状態などで出っ歯になっているケースなど。

インビザラインは歯並びを綺麗に整えることはできますが、整形手術ではないため、骨格自体を変えることはできません。そのため、出っ歯の原因が骨格にある場合は治せない可能性が高いです。

インビザラインだけで治療が難しい場合は、ワイヤー矯正や外科矯正を併用して治療を進めます。

インビザラインでの出っ歯矯正は抜歯が必要か

インビザラインでは抜歯を行うケースもありますが、出っ歯の場合も必要なのでしょうか?

インビザラインでの出っ歯矯正に抜歯が必要か解説します。

抜歯をする場合もある

インビザラインは歯を動かして歯列を整える治療なので、歯を動かすだけのスペースが必要です。

動かすだけのスペースが足りていない場合や、骨格に原因がある場合など、歯列の状態によっては抜歯をする場合もあります。

抜歯をしない場合は削ったり少しずつ動かしたりする

出っ歯の人は必ずしも抜歯が必要なわけではありません。

抜歯を行わない場合は、歯の両側を削るディスキングを行ったり、歯列を頬側(外側)へ拡大したり、奥歯をさらに奥へ動かしたりなど行ってスペースを作ります。

出っ歯をインビザラインで矯正する流れ

H2 出っ歯をインビザラインで矯正する流れ

インビザラインで出っ歯を矯正する場合の、大まかな流れを解説します。歯科医院によっては流れが異なる場合もありますが、基本的な流れは同じです。

1.カウンセリング

まずはどのように歯列矯正を行うか、治療に関する(歯を削ったり抜いたりなどに対する)抵抗感はあるかなどをカウンセリングします。

カウンセリングの内容は歯科医院や担当医師によって異なりますが、時間はだいたい30分程度です。

 2.検査・スキャン

カウンセリング当日もしくは後日、歯の状態を検査します。

検査では虫歯や歯周病の状態を確認し、虫歯や歯周病がある場合は、先に治療を行います。なお、虫歯・歯周病の検査・治療は保険適用の範囲内です。

虫歯・歯周病がない場合は、iTeroと呼ばれる3D光学スキャナで撮影を行い、口の中の三次元データを収集します。

3.診断結果と治療方法の案内

後日に診断結果と治療方法の案内を行います。

再度カウンセリングを設け、不安点や不明点、希望などをヒアリングします。

4.治療計画の確認

クリンチェックソフトウェアと呼ばれるソフトで治療計画を立てます。どのように歯が動いていくか、治療経過を3D動画にしてシミュレーションするものです。

動画を見ながら患者自身も治療計画を確認します。

5.インビザライン矯正開始

カウンセリングからだいたい3~4週間ほどでマウスピース(アライナー)が完成し、インビザライン治療が開始となります。

歯科医師の指導のもと自身で1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換し、少しずつゆっくり歯を動かしていきます。

基本的には自己管理によって治療が進められますが、定期的な通院は必要です。定期検診によって計画通りに動いているか、虫歯や歯周病ができていないかなどを確認します。

6.保定期間

出っ歯が綺麗に整っても、すぐに治療が終わりになるわけではありません。動いた歯は、元の位置に戻ろうとするため、歯を安定させるための保定期間が始まります。

保定期間はインビザライン治療と同じくらいの期間が必要です。

リテーナーと呼ばれる保定装置を装着し、歯をしっかり固定します。なお、歯科医院によっては保定期間に入ったら、最後に使ったマウスピースをしばらくの間使用する場合もあります。

インビザラインで出っ歯を矯正する期間

インビザラインで出っ歯を矯正する場合、必要な期間はだいたい2~3年程度です。

抜歯の有無や動かす量などによって異なりますが、インビザライン治療が1~1年半程度で保定期間も同じくらいかかるため、平均で2~3年かかることになります。

出っ歯だから極端に長引いたり早まったりすることはありません。基本的に歯列がどんな状態でも、インビザラインの治療期間はあまり変わりません。

まとめ

インビザラインで出っ歯を治すことは可能です。症例が少ないため、インビザラインでは出っ歯を治せないと言われていましたが、現在では基本的に綺麗に整えられるようになりました。

ただし、出っ歯の原因が骨格にある場合は、インビザラインだけで歯列矯正するのは難しいのでほかの治療と組み合わせて矯正を行います。

出っ歯が気になる場合は、まずは歯科医院へ相談しに行くところから始めましょう。