​​インビザラインで受け口(しゃくれ)は矯正できる?治療方法を大人・子ども別に解説

​​インビザラインで受け口(しゃくれ)は矯正できる?治療方法を大人・子ども別に解説

インビザラインは新しくできた矯正治療であり、日々進歩を続けています。症例も増えて現在までさまざまな歯並びや噛み合わせに対応できるようになりましたが、受け口(しゃくれ)も治療することはできるのでしょうか?

インビザラインでは受け口を矯正できるのか、治せない事例や治療方法について解説します。

受け口(しゃくれ)の状態と原因とは

そもそも受け口(しゃくれ)とはどのような状態なのでしょうか?受け口の特徴と原因について解説します。

受け口とは不正咬合の一種

受け口とは「下顎前突」や「反対咬合」と呼ばれる不正咬合のひとつで、下の歯が上の歯よりも前へ突き出している状態の歯並びのことです。

子どもの場合、女の子なら14歳まで、男の子なら18歳くらいまで成長とともに顎が大きくなっていきます。そのため、放置をすると見た目でもわかるほど、受け口が顕著に現れてしまうことも多いです。

受け口の原因は遺伝が多い

受け口になる原因の多くは遺伝によるものです。親が受け口だと、子どもにも遺伝します。

一方、遺伝以外では上下の前歯の生え方や、下の前歯を押し出すなどのクセによって受け口になることもあります。

インビザラインで受け口は矯正できるのか

見た目にも現れやすい受け口ですが、インビザラインで治療することはできるのでしょうか?

ここからは、インビザラインで受け口の矯正はできるのかを解説します。

歯の位置が原因の場合は矯正できる

下の歯が前の方に突き出してしまっている歯槽性(しそうせい)の受け口の場合は、歯並びが原因なのでインビザラインで矯正することができます。

ただし、重度の受け口の場合は抜歯をしたり、ワイヤー矯正と併用したりなど、インビザラインだけでは矯正が難しいケースも多いです。

何が原因で受け口になっているかを自分で判断することは難しいので、インビザラインで治療できかは歯科医師に相談してみましょう。

骨格が原因の場合は外科手術が必要

下の顎が過度に成長してしまっている、もしくは上の顎の成長が不十分な骨格が原因の受け口の場合は、インビザラインだけで治療することはできず、大掛かりな外科手術が必要になります。インビザラインは歯を動かす治療であり、骨格を変えることはできないからです。

基本的には「下顎骨切り術(セットバック法)」と呼ばれる施術方法で矯正します。下の顎の骨を切除し、前突している部分を後方へスライドさせる大掛かりな外科手術なので、外科医と歯科医で連携を取りながら治療を進めることになります。

インビザラインによる矯正は、外科手術によって顎の位置を変えてから進める場合がほとんどです。

インビザラインで受け口を矯正した方がいい理由

インビザラインで受け口を矯正した方がいい理由

見た目にも現れやすい受け口ですが、そもそも受け口は治療した方が良いのでしょうか?

結論から言うと、治療できるのであればした方が良いです。受け口を放置をしてしまうとさまざまな悪影響が出る可能性があります。悪影響を引き起こすリスクを減らすなら、受け口を矯正し、正しい歯並びに治すことが大切です。

ここからは、受け口がどのような悪影響を引き起こす可能性があるのか解説します。

受け口だと顎が歪んでしまう

受け口は下の歯が前に出ているため、正しい位置でまっすぐ噛むことができません。顎をずらして噛む癖が付きやすくなるため、骨格が変わって顎の歪みへ発展してしまいます。

顎が歪むと舌っ足らずな喋り方になりやすく、発音障害を引き起こす場合もあるので注意が必要です。特に、子どものうちは顎の成長が早いため、早期に治療を始めることが重要になります。

歯のぐらつきや欠けが起こる可能性も

上の歯と下の歯がずれた噛み合わせで食べ物などを噛み続けると、歯にぐらつきが出てしまう場合があります。歯が当たる位置が悪いと、最悪の場合欠けてしまうことも…。

また、受け口の噛み合わせでかみ続けると、歯肉が下がってしまい歯肉退縮(しにくたいしゅく)という状態になってしまうこともあります。

歯肉退縮とは、歯肉がすり減って歯の根元部分が露出した状態のことです。根面が露出すると、虫歯や歯周病になりやすくなるリスクが高まります。

インビザラインで受け口を治療する方法

子どもの場合は顎の成長を活かした治療が可能ですが、大人の場合はすでに成長が止まっているためできません。そのため、子どもと大人では、受け口の治療方法が異なります。

では、子どもと大人でどのようにインビザラインで受け口を治療するのか。それぞれ解説します。

子どもの治療方法

子どもの受け口をインビザラインで治療する場合は、インビザラインファーストでの治療を行います。

インビザラインファーストとは、子ども専用の治療法で、顎の大きさを広げて歯並びを整えることができるハイブリッドな矯正方法です。

なお、インビザラインファーストを選択できるのは、乳歯と永久歯が混在している年齢まで(小学生くらい)であり、すべての永久歯が生え揃っている場合は大人と同様の治療となります。

大人の治療方法

インビザラインは歯列全体へ均等に圧力をかけるため、受け口の治療ではマウスピースを装着して、前に出ている下の歯を少しずつ後ろに下げていきます。

軽度の場合や歯を動かすだけの十分なスペースがある場合は、インビザラインのマウスピースを装着するだけで、無理なく歯を移動させることが可能です。

歯を動かすスペースが不十分な場合は、抜歯を行ってからワイヤー矯正と併用して治療することもあります。

まとめ

受け口(しゃくれ)はインビザラインで矯正治療することが可能です。

ただし、インビザラインだけで矯正できるのは、歯並びが原因の歯槽性の受け口で、なおかつ軽度の場合のみです。重度の場合は抜歯やワイヤー矯正を併用するなど、インビザライン以外の治療と組み合わせて矯正を行うことがあります。

そして、骨格が原因で受け口になっている場合は、骨格を治す外科手術を行わないと治せません。外科手術は顎の骨を切除する大掛かりな施術になります。

受け口は放置してしまうと、歯のぐらつきや欠けがおこるなどの悪影響が出やすくなる不正咬合です。インビザラインで治療することが可能なので、受け口が気になる場合は、なるべく早く治療を始めることをおすすめします。

自分の受け口が歯槽性か骨格性かは、自己判断しにくいので、まずは歯科医師に相談するところから始めましょう。