「マウスピース矯正」の集団訴訟のニュースによる功罪を考察

当サイトでも記載していますし、様々なニュースサイトでも日々記事として取り上げられているデンタルオフィスXの集団訴訟のニュース
このニュースには業界における功罪を今回は考察してみました。

マウスピース矯正がマイナスなニュースとはいえメディアに取り上げられた

今回被害にあわれた皆様には大変申し訳ないとは思いますし、当該のクリニック及び運営会社に対しては人の人生とお金を踏みにじったことに対し憤慨しています。
ただ、非常にマイナスなニュースとはいえ、メディアに取り上げられたことにより認知度が上がった(≒人が知るきっかけになった)ことです。
実際にGoogleトレンドで見てもニュースとして取り上げられた1月22日前後から通常時の1.3倍ほどの検索がされています。

マウスピース矯正Googleトレンドキャプチャ

問題なのは治療方法ではない

今回のニュースを見て初めてマウスピース矯正を知った人にとってはこのニュースで受ける印象は
「マウスピース矯正があまりよろしくない」
という印象でしょう。
確かにこのニュースで被害を受けている患者様の中にはマウスピース矯正をしたことで治療開始前よりも歯並びが悪くなった、
というような文言も拝見できます。
ただ、ここで声を大にして言いたいことがあります。
ここで問題なのは治療方法ではなく、

治療したクリニック(ドクター)の技術不足と適当さそして、何よりも持続不可能なマーケティング手法
であるということです

問題点1:経験不足なドクターによる無理矢理な治療

ニュースにも取り上げられていましたが、当該クリニックが開院した当初に在籍していたマウスピース矯正に対する経験豊富な歯科医師が早期に退職してしまったそうなので、経験の浅い歯科医師が診断を誤り、「マウスピース型」では困難な症例にも手を付けてしまったことが容易に想像できます。

実際、様々な先生にインタビューをさせていただきました。

そこでお伺いした先生のほぼすべての先生が、

マウスピース矯正では対応が難しい患者様を安易にマウスピース矯正に誘導したことがいけない

とおっしゃっていました。
マウスピース型矯正は症例の選択がしっかり出来れば、良い治療方法だと思います。
今回のこの問題で考えるべき事は、歯科医院は「医療施設」であるため、「患者さんごとのそれぞれの症例やお悩みに対して適切な判断とアプローチをしなければならない」という事だと考えます

問題点2:持続不可能なマーケティング(医院経営)

様々なクリニックのホームページやSNSアカウントを見てもらうとわかると思いますが、
どのクリニックでも様々なモニター募集やキャンペーン情報が掲載されています。
今回の問題もモニターが問題となっていましたが、考えてみてください。

1500名を超える皆さん全員がモニターになるなんて経営として成り立つでしょうか!?
そうなんです!持続不可能ですよね?

(ボランティアとして提供したり、元々キャッシュが潤沢にある、他にアップセルで販売するものがある などの場合はありあるかもですが。。。)

きちんとした治療には相当のコストも掛かるため、患者さんにも相当の治療費用を請求させて頂かなければ医院経営も困難になります。

よって、実質無料となるなんてよっぽどのことがない限りや本当に限定した数名以外にはあり得ないのではないでしょうか?

悪意があったのかなかったのかの真意は当該の経営陣にしかわかりませんが、、、

治療方法は悪くないのでしっかり皆さんが情報を見極める目を

今回のコラムではこのニュースの続報ではなくそこから考えられる問題についてしてきました。

もちろん、このようなあり得ないサービスやあり得ない治療をしたクリニック及び当該者にはしっかり償ってもらわなければいけません。

そして普通ではありえないと皆さんが思うことが今回起きてしましました。

だからこそ、皆さん一般ユーザーとしてはクリニックを見極める「目」が必要になってきます。

皆さんの一生を共にする歯、その見た目である歯列や噛み合わせを治す矯正治療もある程度長期間になります。

だからこそ一緒に二人三脚で治療に取り組んでくれるクリックをしっかり吟味して見つけましょう。