インビザライン矯正治療はIT最新技術×アナログ
インビザラインによるマウスピース歯列矯正治療は従来の矯正治療に最新のIT技術を融合した治療といえます。
矯正治療におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)が可能にした歯列矯正の技術といっても過言ではありません。
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インビザライン歯列矯正の工程はIT技術が支えている
インビザラインでは大きく分けると
- 治療前の患者様の歯並びの状態をスキャナーでPCに取り込む
- 取り込んだデータを基に矯正治療のゴールをデジタルセットアップ
- 3Dプリンターを用いた技術を駆使して製作したマウスピースを用いて歯の移動を行う
と3つの手順に分かれています。
インビザラインがここまで普及する前の従来の歯列矯正治療とは異なり、歯列矯正治療開始前の準備段階ではほぼPCのみで完結することができるため、治療予測模型を作る作業やレントゲン写真をトレース作業のようなアナログ(俗人的)な作業はインビザラインにはありません。
また、ワイヤーを曲げるというもっとも職人的なアナログな作業もインビザライン治療では全く行う必要がありません。
IT技術により技術の並列化が可能となったともいえます。
とはいえアナログな部分も
ただ、いざ実際に歯を移動させる歯列矯正治療が始まると、インビザライン治療も従来の矯正治療とそう変わりはなくアナログな部分もあります。
基本的にインビザラインによる歯列矯正ではマウスピースを定期的(約1~2週間おき)に交換し、各工程のマウスピースのひずみから発生する力で歯を移動させていきます。
- インビザライン(マウスピース)をを装着する
- 顎間ゴム(ゴム掛け)をする
こういった部分では実際の歯にも関わるのでアナログともいえます。
インビザラインは最新技術とアナログの融合
インビザラインによる歯列矯正の工程すべてがIT技術やDXとは行きませんが、治療が始まってもIT技術が活躍します。
治療の途中経過はデジタルセットアップした治療計画と比較し、治療の進行過程を毎回の診療時に確認します。
確実に治療を進めるには治療経過を正確に把握することが欠かせませんし、治療計画からのズレを認識できることでその時々に歯科医師が思う最適な方法で治療計画に沿うように修正が可能となるのです。
インビザライン歯列矯正を支える最新技術(一例)
加速装置
通常インビザライン治療ではマウスピースを1~2週間おきにアライナーと呼ばれるマウスピースを交換します。
このペースで交換すると1年間で26~52個のマウスピースを装着することになります。それに対し、加速装置を用いることで通常1~2週間掛けて行う移動を短縮することが可能になります。加速装置を使用した際の効果には個人差がありますが、仮に3~4日で移動が完了するのであれば1年で約80~90個分の移動が可能となり、その分、治療期間の短縮につながります。
加速装置についてはインビザラインの加速装置って?メリットや注意点は?!?!というコラムにて詳しく説明しています。
デジタルモニタリンク
デンタルモニタリングは、治療経過を定期的にモニタリング(治療経過の確認)するための技術です。
通常、インビザライン診療ではマウスピースを1~2週間おきに交換することで歯を移動させていきます。
本来であれば毎週の歯の移動を確認するためには医院に毎週きていただくことになりますが、1年から数年に渡る治療期間中、毎週通院していただくのは実際には現実的ではありません。クリニックによって差はありますが1ヶ月から数ヶ月間隔でクリニックにデジタルモニタリングに通院していただくのが一般的です。
毎回クリニックの先生は指導した通りにマウスピースを使用していただき、治療計画からズレることなく歯の移動が進行していくことを想定してマウスピースを数組使用してからモニタリング来院していただくよう間隔を設定していますが、マウスピースを数組使用している間に歯の移動が計画からずれてしまうというトラブルがしばしば発生します。
毎回マウスピース使用したあとの状態を確認することができれば、トラブルを早期発見でき問題が複雑になることを避けられます。デンタルモニタリングは、マウスピースを所定の期間使用した後に自宅で歯並びの状態を写真撮影し、その画像を基にAIと担当のドクターがダブルチェックで歯の移動を確認するシステムのことです。
クリニックの先生としては送られてきた画像から歯の移動を確認するのはひと手間必要ですし、送られてきた画像から治療計画に沿うようにアプローチを替えるなどの判断が必要になります。
ただ、それでもトラブルが大きくなってから対処するのと早期に対処できるのとでは大きな差があります。
今後も
今後もインビザラインによるマウスピース歯列矯正に関わる様々な技術が開発されていき、今よりもさらに的確に、そしてより快適に、そして治療期間も短くなるようになることが予想されます。
ただ、技術はどんどん進んでもアナログな部分は残りますし、ドクターによる知見や見解が必ず必要となってきます。
マウスピース矯正治療のインビザラインはクリニックの先生たちとIT技術の融合によって成り立っているのです。